賃貸オーナー満室経営
安定的な満室経営をスタートするには
賃貸経営で、オーナー様が一番強く望まれていることは、空室をなくし満室経営する事です。入居者が気に入って長く居住してくれるか、退去されてもすぐに入居が決まる。簡単にいうとそれだけ、たったそれだけなのにそんな単純にはいかない、実に賃貸経営は難しい。何とかしたい思いで、たくさんの本を読み、いろんなセミナーに行き、オーナー同士の情報交換・交流会に参加する。本当に熱心なオーナー様でも「いろいろ試したけど正しい答えが見つからない」と言います。同じ環境・エリアでも勝ち組と負け組に必ず分かれます。両者を分けているもには何でしょうか。
最近では、不動産情報サイトで簡単に情報を検索でき、たくさんの情報を比較できるようになりました。以前のように不動産屋さんに行って物件を紹介してもらう必要もありません。溢れかえる物件情報の中で、あなたの物件はどのような位置でどのように見られているでしょうか。まずは、客観的な目で評価し、どの程度の物件力があるのかを知ることが安定的な満室経営をする為のスタートだと考えます。
賃貸偏差値を意識し勝ち組に
満室経営には、まず物件の偏差値を客観的に分析する事が大切です。なぜなら物件の立地・環境は変える事はできません。個々の理由がありその場所に物件があるのですから、現実を把握し物件力を上げていくしかないのです。賃貸偏差値を考えた時、駅から近い方が離れているより偏差値は上がります。しかし駅から15分の物件が新築で面積も広ければ、そちらの方が偏差値は上になるかも知れません。
ファミリー向け・単身向け・学生向けによっても偏差値の傾向は変わってくるでしょう。その地域のターゲット層にあった偏差値が平均より上か下か分析してみてください。偏差値を常に意識して競合物件に並ばない事が大切なのです。仲介業者や管理会社に家賃を下げれば勝負に勝てると言われ、しぶしぶ家賃設定を下げてはいませんか?
競合に並ばないというのは、家賃を下にするのではなく、同じ家賃でも「こっちの方がお洒落でいいね」もしくは「少し高いけど絶対この部屋の方が得よね」とほんの少しの工夫で差別化を図り物件偏差値を上げて、勝ち組になるということです。
低コストで物件価値を上げるリノベーション
現状まだまだ賃貸物件は特徴のない内装の部屋が多く、たまにリノベーション物件を見ても、一面だけアクセントクロスを貼ったような物件ばかりです。本当の意味の差別化は見た人に「この部屋がいい、ここに住みたい」と感じさせることです。だからといって、ただやみくもにお金をかけてリノベーションをしていては賃貸経営は成り立ちません。ちょっとした事で満足感とお得感を感じさせるのが大切なのです。例えば、明るく清潔感のあるお部屋のイメージにかかせないのが照明です。部屋の中心だけを照らすシーリングライトより今は安価になった、LEDダウンライトを選びましょう。
LEDが壁面をライトアップすることで、空間をより明るく感じさせ、光の陰影が奥行きのある雰囲気を創り出します。
また、玄関収納の下部に蛍光灯を取り付けるだけで、簡単に間接照明の出来上がります。たった蛍光灯1本を、取り付ける場所を工夫するだけで、演出効果のあるデザインにする事が可能なのです。
ライトアップされた壁面には、一流ホテルで見たことのあるような、お洒落で重厚感のあるタイルを張ります。そんな賃貸物件見たことがあるでしょうか。分譲マンションでもほとんどないでしょう。クロスだと退去後に張替が必要になることが多いのですが、タイルは半永久的です。少し工事金額が掛っても、この高級感があったなら、住む人が納得して満足したと思わせることができるはずです。
最近ではPM2.5や花粉が気になり、バルコニーがあっても洗濯物を外に干さない、防犯的にも心配で室内干しにしているという方が増えています。頑張って浴室乾燥機を設置するのも良い選択でしょう。しかし費用対効果を考えると合わない時もあります。そんな時には、埋め込みの室内物干しを取付けしています。
必要な時に下げて使う昇降タイプでインテリア的にも邪魔になりません。金額も安価なのに、内覧された方に、ご説明すると結構喜ばれる方が多いのです。同じ家賃設定で同じような偏差値の物件の場合なら、室内物干しがあった方が、少しの差ですがお得感を感じるのではないでしょうか。少しの差とはそういう事です。
リノベーションの時には必ずと言っていい程設置するのが、玄関横にイタリアモザイクタイルを張ったハイミラーです。鏡にタイルを張っただけなのに、ライトアップされると、空間が広く明るく感じ、かなりの見栄えがするのです。玄関は一番初めにその物件のインパクトを決める大切な場所だからこその演出です。例えばどうしても老朽化で設備機器を取替えなくてはならない時期が来たとします。そこは間違いなくチャンスだと思って下さい。
せっかく取替えるなら、今の時代に合った間取りに変更した方が得です。しかもキッチン横にパントリーを設置すれば、決定的な差別化となり必ず女性のテンションは上がります。少し工事費上がっても、このグレードでこの家賃は納得できる。たとえ1万円高くても絶対ここに住みたいと思わせることこそが、本当の満足感だと思うのです。
満室経営するための管理業務
務現状維持でいいは衰退するだけ
自主管理のオーナー様の場合、毎月家賃を集金し、空室が出れば不動産会社に入居者の募集をお願いし、原状回復が必要なら、近くのリフォーム店に任せる、という流れが一般的でしょう。管理委託されている場合は、「空室が出ました」と報告をうけるぐらいで「とりあえず同じ条件で募集しましょうか?」「少し家賃下げないと決まりにくいですね」などと良く聞く会話がなされるのが実情ではないでしょうか。これが経営と呼べると思いますか?
賃貸物件が供給過多の時代で、利益を最大化にし満室経営を目指す事が目標ならば、ただ待っているだけの経営では、家賃水準は下がり続けるでしょう。もちろん空室も埋まるわけがありません。これからは、受け身ではなく「攻める経営」をしなくては勝ち組にはなれないということです。
主要管理業務
自主管理でも、管理委託でも最低限必ず必要とされる3大業務です。
管理業務は必ず必要な項目だけでこれだけあります。この業務を自分でするのか、依頼するのかの選択をしなくてはなりません。オーナーは各種業務をマネージメントして依頼をするわけです。
最近ではすべてを丸ごと任せる一体型・PM管理いうのもあります。オーナーがする業務を全てを代理して経営戦略までするという管理会社です。これらの、どれがいいかと言うつもりはありません。どの形を選択するにも、個々に置かれた状況で必要性も違います。時間的に余裕があり、管理物件が少なく、今後物件を増やしていく予定のない方は、管理費用も掛からない自主管理でもいいでしょう。
これからさらに、良い物件を探し積極的に経営を目指していく方は、自分の時間が必要になるので、管理委託という選択にした方が現実的です。いずれにせよ一番大切なのは誰に任すかということです。経営者として、優秀でかつ自分の良き理解者を見つける事が、満室経営には必要不可欠でしょう。オーナーがどのような判断をするのかで今後が決まると言っても過言ではありません。
オーナー様に必要な経営とは
入居者が快適に暮らし長く居住してもらう工夫を考える
空室埋めるのと同様に空室発生を防ぐことは大切です。長く居住しているという事は、これから入居する方より家賃水準が高いのが一般的です。入居し続けてくれることが、経営的にも効率がよいということです。入居者からクレームがないから問題がないとは限りません。少しくらい問題があっても我慢する人の方が多いと思いのではないでしょうか。時々声掛けをして下さい。また、気持ちよく住んでもらうために、古くなった設備を交換してあげたりするサービスも効果的でしょう。
任せきりにせず自分の物件の現状を誰よりも把握する事
管理委託している場合ですが、物件を見に行くこともなく、すべてお任せで、ご自分の物件の状態がどうなっているか、空室の状況すらも知らないというオーナー様がいます。それは大変危険な事です。管理会社が手を抜き、いい加減なことをしていても気がつきません。委託しているからと信じすぎるのが危険なのです。管理会社の営業にあなたの物件に対して愛があると思いますか?ただ業務をこなすサラリーマンに頼り切っていては、取り返しのつかない事になりかねません。まめに物件をチェックしているだけで、管理会社もいい加減な事は出来ないなという気持ちになるものです。
出来る営業マンに積極的に物件を売り込んでもらう
入居を埋める方法はDMを送ったり、情報サイトに掲載したり、近くの仲介業者に訪問して物件を売り込むが一番効果的です。ただどの物件を紹介するかは営業マン次第です。仲介業者の優秀な営業マンを味方につけ物件を紹介してもらうには、それなりの人間関係が必要です。まずは、営業マンが紹介したくなる部屋であること。決めやすい部屋である事。広告料を惜しまず多く払う事を浸透させる必要があります。
自分が住みたいと思える部屋づくりを意識すること
営業マンが紹介したくなる部屋を作るということは、その部屋が魅力的でなければなりません。でも、どこまで手を加えるべきなのかの判断は難しいところ。そんな時は、あなた自身がその部屋に住むという事を想像してみて下さい。それが一番リアルで分かりやすいでしょう。ちょっとでも「住むのは嫌だな」と思ったなら誰から見てもそう思うという事です。住んでみたいなと自分が思う事が大切です。
物件力がアップすれば、入居者レベルもアップする
物件の魅力がアップすれば、当然家賃のアップに繋がりますし、入居者のレベルも確実に上がるでしょう。仲介業者のいいなりになって、家賃を下げて空室を埋める事を続けていると、物件の価値も下がり、クレームや滞納といった危険も出てきます。せっかく入居して頂いてる入居者が、出て行ってしまうような、負の連鎖だけは避けたいものです。
工事に詳しいリノベーション会社とつき合う事
物件価値を上げて魅力的な部屋作りには、工事の知識と経験が豊富なリノベーション会社を選びましょう。コストを出来るだけ掛けずに利益の最大化が目的なのです。リノベーション実績が多く、工事の知識が豊富な会社とお付き合いすることが、オーナー様にとっての最大なメリットとなるはずです。
当たり前になりがちな管理業務ですが、なにが本当に大切か、今のままでいいのかを真剣に考えてみて下さい。違う角度から考えることや、専門分野のよき理解者を見つける事で、思わぬ発想が生まれるかもしれません。とことん考えて判断をし決断をする。それがオーナーの大切な仕事だと思います。
30年後50年後の資産価値を上げるために
どんな建物でも必ずいつかは劣化が進み大規模な修繕が必要になってくる時がきます。しかし、ただ建物の修繕だけをするのではなく、時代に沿ったマンションの価値やステータスを作り上げていくことが、いちばん大切だと考えています。30年・50年、何年たっても住んでみたくなるような魅力的なマンションであり続けるには、いったいどうすればよいのか。経過年数・状況にあわせて、1棟1棟に対して最適な修繕方法と資金計画を、解り易くご提案させて頂きます。
まずは現況チェックしてみて下さい。
外壁の剥離・タイルの浮きや脱落はありますか?
外壁の塗装やタイルは、美観のためとコンクリートへの雨水の浸透や大気物質の透過を防ぎ、コンクリートの中性化を防ぐ理由があります。コンクリートが中性化し鉄筋が腐食すると、建物の構造体力が低下し取り返しのつかない状態にもなりかねません。美観保持と物件耐力のために、亀裂や浮きの有無を調査します。
外壁にシミや鉄部などに錆などはついてないですか?
非常階段や鉄部の扉は、サビ止めを塗装したうえに塗膜を付けております。雨や大気汚染の影響で付着力が低下し、放置しておくとサビがまわり、進行の速度が増すため早めの処置が必要となります。傷み具合と進行具合で判断し、改修の目安は4年~5年ごとになります。
防水工事など定期的に改修されてますか?
マンションの屋上は、炎天下にさらされいて、日照や気温の変化の影響で、保護コンクリートや防水層の膨張と収縮を繰り返すことにより劣化していきます。目につかないところだからと放っておくと、雨漏りを起こす恐れがあり大変危険です。新たな防水層を作ることで、大切な建物を守りましょう。
まず、ご自分のマンションの現状を正確に把握することが一番大切なのです。
定期点検とメンテナンス周期をご存知ですか?
■定期点検とメンテナンスの目安
建築部分 | 補修 | 修繕 |
---|---|---|
外壁塗装等 外壁塗装 | 12年 | |
外壁塗装等 タイル張り | 12年 | |
外壁塗装等 共用内部 | 12年 | |
防水等 屋根・笠木・庇等 | 12年 | |
防水等 バルコニー床 | 12年 | |
防水等 廊下・階段等 | 12年 | |
鉄部塗装(雨掛かり部分) | 4年 | |
鉄部塗装(非雨掛かり部分) | 6年 | |
雨樋・他配管類 | 4年 | 12年 |
建具類 | 12年 | 24年 |
シーリング | 打替12年 | |
調査・診断 | 12年 |
設備 | 更生 | 取替 |
---|---|---|
給水管 | 15年 | 30年 |
給水ポンプ | 8年 | 16年 |
排水管 | 15年 | 30年 |
排水ポンプ | 8年 | 16年 |
ガス管 | 30年 | |
空調・換気設備 | 15年 | 15年 |
電灯設備 | 15年 | |
自動火災報知機 | 20年 | |
連結送水管設備 | 25年 | |
テレビ共聴設備 | 15年 | |
昇降設備 | 15年 | 20年 |
外構・付属設備 | 12年 | 24年 |
以上の各項目は、国土交通省が発表された≪長期修繕計画のガイドライン≫から引用しました、メンテナンス周期の目安です。建物の規模や構造、使用された材料や立地・環境によっても、メンテナンスの周期には違いがあります。一般的には、12年ごとの大規模改修が必要とされています。
防犯対策・セキュリティを意識していますか?
築年数の古いマンションでは、ほとんどの建物にオートロック機能が付いていません。
最近では様々なオートロックシステムの商品が揃っていおり、価格もリーズナブルになっています。良い入居者ほど防犯意識が高いのは明らかです。是非大規模改修の際には導入をお勧めします。しかしながら、建物の形状的にオートロックを付けても、意味のないこともあります。そんな場合でも、防犯カメラを目のつく位置に設置するなどの心遣いくらいは必要でしょう。
メールボックス・宅配ボックスは充実していますか?
マンションの美観的にも、改修の際は最低限、郵便ポストは取替えましょう。留守が多いお宅には宅配ボックスがあると助かります。今はコンビニや駅のロッカーで宅配便が受取れる便利な時代です。今後マンションの必需品となるのは間違いないでしょう。ポストと宅配ボックスが一体の商品もあり、別々に設置するよりもデザイン性もあり、コンパクトに配列できると人気です。
《マンションの顔》エントランスホールの雰囲気は?
大規模改修はただ耐用年数を引き延ばすだけではなく、トータルでリニューアルさせ、資産価値を向上させるのが目的です。特にエントランスやホールはマンションの顔となり、グレードを左右するうえで大切な場所です。デザイン性を高めることで、資産価値を上げ近隣物件との差別化を図りましょう。
エントランスホールには、デザイン輸入タイルをアクセントに使うのが効果的。異素材のタイルを組合せることで大胆かつ高級感のある表情が生まれます。ライトアップする場所を選び、間接照明やLEDダウンライト等で空間に陰影をつけ、奥行きのあるデザインに仕上げるのです。
マンション大規模改修ごとのバージョンアップ
時代の流れで、当然に新しく建てられるマンションのグレードも上がってゆきます。大規模改修するには、元の状態に戻す原状回復だけでは時代遅れの建物になってしまいます。回数を重ねるごとにその時代の一般水準までグレードアップの改良をしてゆかなければ、物件の資産価値を上げることは出来ないでしょう。30年・50年後に「このマンションに住みたい」と感じて頂ける為に、ステータスを創り上げましょう。
- 現地調査
- 築年数や状態によって工事内容は大幅に変わってきます。まずは現状を把握することが大切なのです。経年劣化の状態と建物自体の弱点の調査を正確に特定します。劣化の原因は構造によって違いますが、立地環境によっても不具合の個所・程度に差がでてくるのです。塗装面は亀裂と爆裂の深さなど、タイル面は剥離や脱落の個所などを図面にチェックしてゆきます。水漏れの個所・具合や防水の施工方法による劣化状況の調査も必要な項目となります。
- プランニング
- 調査の結果を充分に把握し、劣化の進行度・深刻度を踏まえて、建物に最適な改善の方法を考えて修繕計画の見積りをいたします。ただ改善するのではなく、資産価値を上げるためにグレードアップをすることがもう一つの目的なので、時代の経過より古さを感じさせるデザインの個性を大切にしながらも、他にはないハイグレードなマンションの雰囲気をコ ーディネートし、かつ居心地がよく快適で、安心安全な住む人にやさしい空間をデザインします。
- 資金計画
- 修繕工事の重要性がわかったとしても、予算オーバーでは話になりません。優先順位を考えて長期的メンテナンスを考えた資金計画をシュミレーションします。例えば緊急的な工事と、2期・3期のように工事個所を分けて施工することも可能なのです。まずは収支とのバランス、借入・返済のリスクを考慮しなければなりません。しかし予算を優先しすぎてしまうのは、中途半端なただの改修工事に終わり、逆にリスクをかかえてしまうことになりかねないので重要な判断が必要です。
- 施工・管理
大規模改修の施工には、様々な専門の職人を必要とします。工事内容の項目は
■共通仮設工事 ■足場架設工事 ■下地補修工事 ■シーリング工事
■外壁高圧洗浄工事 ■内外壁塗装工事 ■各種防水工事 ■バルコニー防水工事
■廊下・階段シート貼り ■左官工事 ■タイル張り工事等があります。常駐の現場責任者が施工監理をし、入居者様方のストレスを軽減するように配慮し、安全かつ工程表どおりに工事を進めてゆきます。また、設計・デザインとの相違がないかや正しく施工されているかの確認と検査を、工程ごと責任を持って行います。
- 管理サポート
- オーナー様御立ち合いのうえ入念な完了検査を行い工事終了となります。お引き渡し後に 竣工図書をお渡します。アフターフォローとしては、工事箇所・工事内容に応じての保証期間を設けております。ただ、完了したから終わりではなく、次の大規模改修のスタートと なり、長期計画書に沿ったメンテナンスと点検を責任を持ってしっかりとサポートいたしますのでご安心ください。